黒柳NOTE
狭い土地、小さい土地に建てる
都市型コンパクトな家づくり
家づくりは「立体的に捉えること」がポイントです。土地を見る時、ついつい地面ばっかり見てしまいます。しかし、ちょっと上を見上げて見てください。空が広がっているでしょう。そこに縦方向の線を引いてみてください。縦方向の広がりをうまく利用すれば、面積以上の開放感やゆとりを作り出すことができるんですよ。
家づくりは、光・熱・空間の3つを捉えること
難関土地(狭小敷地・変形敷地・旗竿敷地)で皆さんが心配されるのは主に、日当たり、風通し、間取りです。しかし、どんな難しい条件の土地でも上空が閉ざされていることはありません、そして、接道義務から必ず道路面だけは開けています。この2方向から光と風を取り入れることを考えれば、様々な可能性を見出すことができます。吹き抜け、屋根裏、ロフト、地下室、半地下など、工夫次第でどんどんスペースが生まれ、二世帯住宅や賃貸併用住宅も建てられます。
しかも、熱活用や税金のことを考えると、「狭い」と言われるような土地の方が「広さ」を有効に活用して建てられることもあります。
光の通り道
室内を明るくするのに必ずしも直射日光は必要ありません。また、直射日光が1階まで当たる日当たりの良さは夏の猛暑時に家を熱してしまうデメリットもあります。
明るさの確保には天窓・吹き抜け・ガラス床を用いて「光の通り道」を作り、天空光(空の明るさ)を利用してフワッとした柔らかな光をいかに階下まで届けるかを考慮します。
部屋が明るいと視覚効果で空間に奥行きを感じます。特に天空光は照明には真似できない明るさをもたらします。太陽光を意識した「光の通り道」を効果的に配置することは、明るさに加えて広さを感じさせることにも繋がります。
風の通り道
風は大気の圧力差から生じる空気の流れです。逆に考えると、気圧の差を意図的に作れば空気が動き風となって自然と風通しがよくなります。
昔の京町家での打ち水と中庭(坪庭、通り庭)の関係がこれです。奥の坪庭にたっぷりと打ち水をすると坪庭だけが冷やされ、暑いままの表との温度差で上昇気流が発生します。上昇気流は温度が低い坪庭へと流れるので、冷やされた空気が町家の内部を通り抜け、心地よい風になります。
また、中庭の前後の瓦屋根は太陽に熱せられ上昇気流を起こします。すると、中庭にマイナスの気圧が発生して屋根の上昇気流に吸い上げられるように空気が昇っていきます。風がそれに引っ張られ、表から中庭に向かって入ってきます。
これはら大気の熱対流を発生させているだけで、特別な機械や動力を必要としません。
これを応用して、敷地内で太陽熱による上昇気流が発生しやすいようにし、道路面から空気が移動して風が流れやすいようにします。
間取りの工夫
法律により敷地面積に対する建ぺい率・容積率が決まっているため、希望の間取りから土地の広さを考えてしまいます。しかし「この土地に、これだけの間取りをどうやって詰め込もう」と逆の発想をすることで、たくさんのアイディアや工夫が生まれてきます。
そのアイデアを実現させるには、わずかな空間も見逃さない細かなプランニングが必要になってきます。
これはパーツの規格が決まっている企画型住宅では難しいことですが、黒柳建設が得意とする木造軸組の注文住宅では強みとなります。さらに外断熱工法を用いれば、家中すべての空間を快適な住空間として使えるので大きなメリットになります。
土地の良さを最大限引き出すって本当に楽しい
どんな難関土地(狭小敷地・変形敷地・旗竿敷地)にもその土地の持つ良さが必ずあります。その良さを最大限に引き出すことが家づくりのプロとしての腕の見せどころだと、黒柳建設は考えています。地面を見ているだけでは問題ばかり浮かんできてしまいますが、プランを立ててアイディアを詰め込むことで良さが際立ってわかるようになってきます。
そこが難関敷地の難問を克服する面白さで、プランを見て『信じられない』と驚くお客様の声が達成感を感じさせてくれます。こんなにやり甲斐を感じることはないんじゃないかと毎回思っています。
制度の変更、廃止などにより、現在ではあてはまらない場合もございます。あらかじめご了承ください。
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