黒柳NOTE
大人の秘密基地
「ミニ書斎・リモートワークスペース」
リモートワーク・在宅勤務が普及した昨今では、仕事に集中できる時間と空間があるかで、生産性に大きな差が出ます。そんな自分専用の秘密基地を持つことができるのは、マイホームならではの楽しみ方です。
これから家を建てる場合も、既にマイホームにお住まいの場合も、ちょっと視点を切り替えて「大人の秘密基地」を考えてみませんか?ライフスタイルの変化に合わせて、住まいもより快適に進化させてあげましょう。
一人時間をより豊かに、自分だけの空間でゆったり過ごす「大人の秘密基地」
屋根裏(小屋裏)の秘密基地
屋根裏(建築用語では小屋裏)は、一般的に住まいの中で最も余剰空間が残っている場合が多い場所です。
屋根の勾配(傾き・傾斜)にもよりますが、大人でも座って作業する高さが確保できれば、秘密基地化は十分に可能です。住まいの裏側なので、電源を増設することも比較的容易な場合が多いです。
屋根の傾斜と、天窓をうまく組み合わせて、屋根裏スペースを書斎空間として活用。机を置くスペース、電源・照明の位置は予め設計。
2~3畳でも一人で集中できる空間があると、様々なシーンで便利です。
天井高1メートル40センチですと、ついつい物置として設計してしまいがちです。
そこに一角だけデスクスペースを追加しておくと、利用度の便利性が格段に高まります。
子ども部屋のロフトにも一角を収納にして、ローテーブルを持ち込むと自習室風に早変わり。
人によっては、あえて狭い空間にこもることで集中力が増すこともあります。
屋根裏(小屋裏)に秘密基地をつくる際の注意点
温熱環境
まず温熱環境ですが、屋根裏は文字通り屋根の直下に位置しますので、屋根からの熱の影響が大きく受けます。特に屋根断熱がされていない場合、夏場は40〜50度にもなりますし、冬場は外と同じくらい寒くなります。
エアコンを設置しようにも、室外機の位置や冷媒管の経路など、間取り的に不可能な場合があります。
そういった場合は、断熱材で秘密基地をぐるっと包むことで外気の影響を遮断して、こもって過ごせる空間を作ります。
光環境
屋根裏には窓がありませんので、なんの対策も施さなければ自然光を取り入れることは不可能です。
そのため照明・ライティングが必要不可欠ですが、電源や配線などを考えなくてはなりません。ただでさえ狭い屋根裏に照明を取り付けると、熱が篭りますのでその対策も必要です。
黒柳建設では、すぐに秘密基地と使用しない場合でも、将来の可能性を考えて、トップライトや明かり取りの窓を設置することで明かりの問題を解決します。
空気環境
屋根裏は家の裏側なので、ホコリやハウスダストが溜まりやすくなっています。その上、窓も無いので二酸化炭素などの汚染空気を換気することができません。
空気の通り道をつくることで、その悩みをぐっと減らすことができます。換気ダクトや通風口を設けることで、空気の通り道をつくることができます。
ワーキング環境
趣味のためではなく仕事をするためのスペースとして使用する場合は、必要な環境が違ってきます。
デスクを置くスペースがあるか、資料や本、パソコン周辺機器などを収納するスペースが作れるか、仕事に必要な機器をつなぐ電源が用意できるか。また、長時間こもって仕事をしていても苦にならない空間にすることも大事です。
用途が明確な場合は事前に設計します。作業に必要な明るさ、電気配線は不可欠。また快適に長時間過ごせるように空気の流れや音の問題なども配慮した環境を作り上げます。
共用部の秘密基地(廊下・階段・リビング)
廊下や階段などの生活導線、工夫すればスペースが切り取れるリビングなど、家族誰でも使える共用空間の一部を秘密基地化した事例です。
リビングの一角に可動式の作業机とPCスペース、本棚を設置。
集中タイムが終われば、見えないように片付けてオンオフを切り替えることができます。
3階廊下の一角に机を設置して、広々とした作業環境をご用意。
吹き抜けを通してリビングと繋がっているので、家族と会話しながら自分の時間を過ごせます。
ピアノ室の反対側に大きなテーブルを設置して、姉妹の勉強スペースに。壁に窓を設置することで子どもの様子を見たり、会話もスムーズに。
共用部に秘密基地を作る際の注意点
リビング・廊下・階段といった共用部分は家族も使うので、完全に独立した自分空間とはなりません。
「秘密」の基地ではありませんし、家族との会話があると、集中し切れないのはデメリットです。
しかし、占有スペースが少ないことと、空間の有効利用は大きなメリットです。
収納空間の秘密基地
納戸やウォークインクローゼット程度の広さの小部屋を、荷物を整理して秘密基地化してしまった事例です。
寝室の一角を2つに分け、ウォークインクローゼットと書斎に。
リビングとの間に寝室を挟むことで、より静かに集中できるスペースを確保しました。
こちらも納戸を2つに分けて、半分を書斎として使っています。
机の前の開口部はリビングの吹き抜けに繋がっていて、家族の気配が感じられる開放的な空間です。
回遊(ぐるっと回れる)式の書庫スペースの一角を書斎スペースとして有効活用。
天井まで本棚を大工工事で作ったので、収容力は抜群です
新型コロナウィルス環境下での大人秘密基地
2020年4月、新型コロナウィルスの感染拡大防止のため、一都三県を始め「緊急事態宣言」が発令され、数日のうち日本全国へと広がりました。
黒柳建設で注文住宅を建てたお客様に、外出自粛やリモートワークを余儀なくされた生活についてヒヤリングを行いました。
お客様の声
- 書斎スペース(大人の秘密基地)がこれほど役に立つとは思っていなかった
- 強制的に在宅勤務に切り替わったけど、全然問題無かった
- 仕事スペースを用意しておいて本当に良かった
- 普段から利用していたから全く違和感なくリモートへ移行できた
- ビデオ会議相手がお子さんに邪魔されるケースが何度もあったが、ウチは全くない
- 同僚たちは仕事場所の確保に相当苦労しているようだったが、ウチは全然平気
奇しくも、コロナ禍という前代未聞の事態を迎えたことにより、リモートシフトが社会全体で進むと見られています。
自宅で集中することができる空間があったことが、これほど役に立つとはと、皆さまから驚きと感謝の言葉をいただきました。
制度の変更、廃止などにより、現在ではあてはまらない場合もございます。あらかじめご了承ください。
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